
チンクエ・テッレとは
北イタリアでは5月に入ると、冬から春にかけてのジメジメして鬱陶しかった太陽の日差しがガラッと変わり、眩しい夏の到来を予感させるようになってきます。
この頃からおすすめなのが、世界遺産のCinque Terre; チンクエ・テッレ。リグーリアの沿岸にある5つの村の総称です。
- モンテロッソ・アル・マーレ (Monterosso al Mare) – 西北端
- ヴェルナッツァ (Vernazza)
- コルニリア (Corniglia)
- マナローラ (Manarola)
- リオマッジョーレ (Riomaggiore) – 東南端
ともに世界遺産に登録されているポルトヴェーネレはリオマッジョーレから南東へ9kmほどの距離にあり、ポルトヴェーネレ沖合の小島群(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)ともども同じラ・スペツィア県内にある。
—– Wikipediaより抜粋。
イタリア沿岸部では当たり前だった昔からの風景の価値を、休暇で訪れていたアメリカ人やドイツ人の観光客によって発見され、ポルトヴェーネレと共に後世に残されるべき世界遺産として1997年に登録されました。
チンクエ・テッレまでの行き方
さて、本題のおすすめポイントですが、なんといってもそれは Riomaggiore; リオマッジョーレ でしょう。もし鉄道でこの地域へ入るなら、ジェノバ方面からは鈍行列車の Trenitalia Regionale で1時間から1時間半ほど、ピサ方面からは1時間半から2時間弱で到着します。
ちょっと古いものですが、電車の時刻表はこんな感じです。レッジョナーレとはいえ、さすがに汽車ではありません(笑
リオマッジョーレはほとんどの列車が止まるのもおすすめするポイントです。
チンクエ・テッレでの宿泊
リオマッジョーレをおすすめする理由は、お手頃宿の多さにあります。
海沿いに立つホテルは Monterosso al Mare; モンテロッソ・アル・マーレの2つしかありません。
山側を含めれば他にもチンクエ・テッレ内には何件かありますが、急な坂道を登って行くことになります。
リオマッジョーレ は5つの村の中でも2番目に大きく、たくさんの Affittacamere; 部屋貸しがあります。
今流行りの民泊というところでしょうか。Google map に出ているところの他にも、駅前で客引きをしてるおじいさんが居たりもします。私はたまたま目のあった年配の男性が声をかけてきたので、部屋を見てそこに決めました。
イタリア訛りのちょっとある英語でした。
これまでに2回そちらに宿泊しています。部屋貸しとはいえ、冷洗濯機やキッチン、冷蔵庫なども使わせていただけるので、イタリアを周遊する旅をしている方には助かる場所かもしれないですね。少し前のことですが、1泊50ユーロからでした。
ざっくり リオマッジョーレ
リオマッジョーレはお城のある峰を挟んだ2つのエリアからなる村です。
南側の Via Colombo のある方がメインストリートで、たくさんのお店が並んでいます。
コープと言ってもほぼおみやげ物屋さんですが、トマトやブドウなどの生鮮食品もそれなりにあるので自炊も可能です。この並びのお店でも “Porta alla via” お持ち帰り Pizza もできるので、ほとんど不便はありません。
到着して部屋も無事に決まり、荷物を置いたら出発です。チンクエ・テッレのパスポートを買いましょう。
これで購入期間の間は 他の村への行き来にも電車やミニバスが乗り降り自由になり、また Via dell’Amore; 愛の小道 への入場料も含まれています。
夜間にも解放されていますので、ビールやスプマンテとピッツァを持ち込んでベンチで食べるのもアリです。
天候が良ければ、このような景色に出会えるかもしれません。
満月の日、東京では感じることのなかった月の明るさを実感しました。ほとんどの星が見えません。
地中海に浮かぶ漁船の明かりが一等星のように輝き、はるか北にはジェノバの明かりが赤く輝いています。
また初夏を迎える頃には野生の蛍も飛んでいることでしょう。
なんにもないところ、少しずつ変わっているとはいえ、1世紀前のような暮らしが残る村、それがここの魅力です。できればじっくりと自然の声に耳を傾ける、そんな時間をイタリア滞在中にしてみるのも悪くはないはずです。
朝起きて、部屋の窓を開けると Affittacamere のマンマがレモンをとっていて、”Buon Giorno! come va!? tutto bene?”「おはよう!(部屋は)どう!?問題ない?」なんて元気の良い声が飛んできます。